必死に照れとニヤけ顔を隠しながら20分くらい話をした後、みんなは帰っていった。



麻紀もしげくんたちと一緒に帰ったのでアタシは病室に一人になった。


緊張して頭が働かなかったせいかママがいつのまにかいなくなっていた事にも気付かなかった。




アタシ…今最高に幸せかもしれない。

だって、偶然の出会いに一目惚れして、会いたいと思っていたら偶然会って助けてもらって、、しかも同じ学校だなんて!

偶然の中の偶然の中の偶然の中の・・・偶然の・・・

えっと・・・と、とにかく!すっっっごい偶然だ!


むふふ♪

自然に笑みが零れる。

これから学校に行けば会えるんだ!そう思うと嬉しくて仕方ない

みんなが帰った後もひとり彼のことを思い出してニヤニヤしていた。





ママが、みんなが持ってきてくれたお見舞いのケーキを見たとき、モカはケーキが大好きで・・・とか小さい頃の話を持ち出したのには恥ずかしかったけど。


でも葉澤先輩が笑ってくれたから良とするか♪





と、そこでアタシはあることに気付く。

……アタシってなんて馬鹿なんだろう。

馬鹿って言うか間抜けっていうか…


あの時電車で会ったとき、当然しげくんもいたんだし

彼のことはしげくんに聞けば良かったんじゃない!



あぁ、なんて馬鹿なんだろう…


ハハ…



でもまっまた会えたんだしなんでもいっかぁ♪






むふふ♪


明後日には退院だ!


明後日は月曜だから、二回目の登校は火曜日。



先輩に会えるっ♪

待ち遠しいなぁ♪


胸の痛みを忘れてすっかりテンション上がりっきりのアタシ。





感動の再会を果たして俄然学校に行く気満々だった。


早く彼に会いたくてうずうずしていた。







この時アタシは、あの時の騒ぎも忘れて呑気に浮かれていた。


倒れたときの事なんて忘れ去っていた。




早く学校に行きたいと浮かれまくっていた。







学校生活がこれから起こる波乱の舞台とも知らずに――――