あぁ、神様これは神様の悪戯ですか?それとも夢なんでしょうか?
でも頭の痛みでこれが現実だと痛感する。
夢なんかじゃない!今目の前にいる彼は幻なんかじゃない。
だって彼は今アタシの頭を触っているんだもの。
彼の手が触れるその部分がジワリと熱くなる。
この熱は彼に触れられて熱いのか、ただ頭を打った衝撃のものなのか、、、
「動くなよ。しげ、救急車」
アタシの体を静かに倒しながら彼が言う。
「会いた‥‥た‥‥」
あなたに会いたかった。もう一度だけ会いたかったの。
ァタシはクラクラしながらそれだけ言って意識を手放した。
瞼を閉じたァタシは夢を見ました。
ある日電車に乗っていると素敵な男の人に出会うの。
その彼は笑顔がとても素敵で・・・
アタシは人生で初めて一目惚れをしてしまうのです。
名前も年も知らない彼に一目で恋に落ちてしまいました。
数分の出来事だけど、彼と少しだけお話出来て嬉しかった。
そして彼に名前も聞くことも出来ないまま別れた。
もう一度会いたいと思うけど、そんなに都合よくいくはずなくて。
会いたいって思いに反比例するかのように再開の可能性は下がるばかり。
アタシは夢を見てるんだってなんとなく無意識に意識した。
夢まで現実的なんて。
アタシってなんてつまらない人間なんだろう。
そう思いながらアタシは毎日学校へ通う。
そんなある日。
とうとう再開のときが。
また彼に会えた。
学校の下校時にもう一度再開したのよ。
会いたかったと伝えようとするけど、声が出なくて…
何も言えないまま、そこで夢から覚めた。
「夢?」

