桃色☆クローバー

「ね、一階にはトイレないの?」


「あるけど」


即答で答えてくれたけど、一階にあるのならそこへ行けばいいのに、なぜ階段を上るわけ?


「じゃなんで階段上ってんの?」


「近いからみんなそっち行くだろ。お前そんな顔じゃ嫌だろ?」


それって、あたしの事気遣ってくれたってこと?


誰かに見られないようにって聖はそう考えてくれたんだ。


あたしは頬が緩んだまま素直にお礼を言った。


「ありがとう。」


すると聖は少し驚きながらあたしの顔を見た後、前に向き直ってしまった。


聖の後ろ姿をきょとんと見つめるあたし。


あれ?


なんか聖耳が赤い、てゆうか真っ赤だけど。


どうしたんだろ?


「聖?」


「あ?」


「耳真っ赤だけど、どうしたの?大丈夫?」


まさか聖が照れてるなんて思いもしないから体調が悪いのかそれかパーティーでテーブルに並んでいたお酒を飲みすぎたのかななんて思ったので少し心配になって質問したんだけど。


「…別になんでもねーし!」


聖からの返事は冷たくて。