それより、さっきから通り過ぎていく人たちの視線がすごくささる。


  「ねぇ翔汰、腕…」


  「あぁ、悪い…」


  翔汰は私を包み込んでいた腕を離した。


  翔汰の腕の中はとても温かく、何だか夢の中にいるような気分だった。


  でも、翔汰の腕が離れると急に寒くなった。


  
  そして、少しだけ道を進んでみると前から大勢の人が歩いてきた。

 
  「な、なんだあれ??どこかで祭りでもあるのかよ?」


  「分からないけどこっちにくるよ!」


  翔汰も驚きを隠せない様子だった。


  だけどあっという間に人の群れは目の前だった。


 
  そして人混みの中に気づいたらいた。


  「めご!手離すな!!」

  
  翔汰は私の手を握ってくれていた。