「ゆずき、ちょっとこいつ借りるわー」


そういって坂道のしたで座ってたあたしを連れ去ったのは隣に住んでて幼馴染の健吾だった。


「お前さー…」


健吾は手で髪を撫でる。

優しく。


「よし、直った。」


「へ?」


健吾は自慢気に鏡を見せてくる。

綺麗に寝癖が直ってた。


「すごい…」



「よし、家まで行くぞ!」



そういってあたしの手をとる健吾。

健吾はあたしにとっての魔法使いだ。