あの日、あの夜、プールサイドで



「なぁ、先生。」


「なんだァ??キラ。」



建物の日陰で休憩している最中



「俺さー。
全中で藤堂と闘えるかなぁ。」



スポーツドリンクを喉に流し込みながら、月原に尋ねると




「おー。
この分だと結構いい勝負ができるんじゃね??」


「え!ホント!!?」


「おう。
今のまんま行けば決勝で藤堂と泳ぐのも夢じゃねーぞー??」




そう言って
月原はニヤリと笑う。





そうかぁ…
俺、藤堂と泳げるかもしれないんだ。



あの……あの藤堂と!!!





一人で感動して
一人でジーーーンときていると




俺の頭をクシャクシャと乱暴に撫でながら




「キラキラのキラくん。
オマエは予想以上の掘り出しモンだよ!!」




嬉しそうに月原がほほ笑む。