寧々を助けたい。
その気持ちで一杯だった。
寧々が誰かを庇っていたとしても
百歩譲ってこのアザが階段から落ちたものだとしても、俺はもう安心できない。
このままじゃエスカレートしていく一方だ。大変なことに寧々が巻き込まれてしまう前に、助けなきゃ……取り返しがつかなくなる。
俺の訴えにコクンと頷いた静枝さんは
「児童相談所の方にお話を着けましょう。
寧々ちゃんのお母様には私からではなく、そちらから連絡を取ってもらいます。」
「静枝さん……!!」
「寧々ちゃん。
少し寂しいだろうけど、事態が落ち着くまでは私たちと一緒に暮らしましょう。」
そう言って、静枝さんはゆっくりと寧々の手をとる。
寧々の手を握ったまんま、寧々の頭や体を優しく撫でて、アイツをギュウッと抱きしめると
「あなたはなにも悪くない。
悪くないのよ??」
「園長先生……」
「あなたは誰より優しくて、かわいくて、先生の自慢の女の子。私だけじゃない。光太郎も真彩も愛児園のみんなは、あなたが大好きで大好きでたまらないの。」
そう言って
静枝さんは寧々の背中を優しく撫でる。



