「これ、見てくれ。」
寧々を床に降ろしてアイツの体に巻いたバスタオルを取ると、現れたのは無数の紫色のアザ。
腹、胸、背中、おしり
ありとあらゆる場所に点在する内出血を見て、静枝さんは絶句する。
目を大きく見開き“信じられない”と言いたげに寧々を見つめる静枝さん。
そんな空気を察したんだろう。
「ち、ちがうの、園長先生!
寧々……階段から落ちちゃったの。
だから、こんな風になっちゃったの!」
寧々は突然、こんな言葉を口にし始める。
“誰か”を庇うように。
「そう……なの??」
膝を折り、寧々に目線を合わせ、優しく問いかける静枝さんに
「寧々の体にはこの一ヶ月、赤くつねられた跡があった。」
「……え??」
「最初はお腹に二・三ヶ所。
それがだんだん増えてきて……そんなことがあった後でこのアザだ。」
俺は冷静に状況を伝える。
「寧々を保護してくれ。
今すぐだ!!」



