あの日、あの夜、プールサイドで



「寧々……!
どうしたんだよ、コレ!!!」



その日はとても暑い日で
俺に付き合って学校のプールで遊んでいたら汗をいっぱいかいてしまった、寧々。



ちょっと早めの風呂に入ろうと思ってアイツの服を脱衣所で脱がせた後


「な、なんだよ、コレ!!!」


俺はアイツの背中を見て絶句した。




そこにあったのは…
思い出すのもおぞましい、無数の打ち身の跡。


服に隠れて見えない場所に何か所も何か所も、内出血の紫色のアザが体中に散っている。




頭の中が真っ白になって
呆然としながらその紫色のアザをみていると




「こ、転んだの!!」


「……え……??」


「寧々、バカだから…アパートの階段から落ちちゃったの!!」




寧々は小さな体でこんな言い訳を口にする。




涙を潤ませながら
俺の想像を“違う、違う”と否定する寧々。




だけど、階段から落ちただけでこんなにキレイにアザがつくか??こんなに見えないとこにばっかりアザってつくものなのか??






これって……


どう見ても殴られた跡じゃないのか……???