「あれ?なんだ、このアザ。」
二人で風呂に入っているとき
ふと見つけたお腹の赤い斑点。
虫にでも噛まれたような赤いアザが何か所もおなかについている。
「あ……。」
「蚊にでも刺されたのか??」
どうせ寧々のことだ。
お腹出して寝て、虫に食われたんだろ。
バカだなぁ。
クスクス笑いながら赤いアザをツンツンすると
「そ、そうなの。いっぱい噛まれちゃった…。」
なんだか焦りながら寧々が答える。
今思えばそれが始まりだった。
その日を境に寧々のカラダには不思議な赤いアザが途絶えることなく生まれ、そのたびに俺は
「ちゃんと服着て寝なきゃダメだぞ?」
そんな言葉を口にしていたように思う。
安心しきってた。
寧々が父親と暮らしていないこと。
今までと同じ生活に戻ったことで、俺は完全に安心しきっていたんだ。
だけど……
その次の週。
現れた寧々のカラダを見て、俺はそれが間違いだったと思い知る。



