あの日、あの夜、プールサイドで



奪いたい。
やっぱり誰が何と言っても、俺はこの子にそばにいて欲しい。


別に真彩が友達のオンナだろうと、彼女の妹だろうと、何だって良かったんだ。友達のオンナだろうと彼女の妹だろうと、俺は自分の気持ちに気付いた時点で奪いに行ったと思う。


真彩が誰でも何者でも良かったんだ。


親戚でも義理の妹でも、なんなら実の妹と知ってても俺は真彩を欲したと思う。




だけど……真彩はキラの彼女なんだ。





俺はキラを裏切れない。





真彩はキラにとって守りたい大事な人で、キラの全てで、生きる意味にも等しい人。そんなキラから真彩を奪うことなんて、決して出来ない。


真彩がいなくなったその瞬間、あいつの心が壊れてしまうのをわかっていながら、真彩を強引に奪うことなんて絶対に出来ない。


だからもう会うのはやめようと決めたばかりなのに……。真彩はそんな俺の決心なんて知りもしないで、能天気に俺の家に来ると言う。



なんて残酷なんだろう。




忘れようとしても忘れさせない真彩が憎らしい。



それでも……
また会えるんだと喜んでる自分に心底呆れる。


俺はどうしたい?
キラを裏切れないくせに、真彩を欲しいと思ってる。


会ったところで、一緒にいるだけで苦しくなるのはわかってるのに……それでも彼女に会いたくて身支度を整えてる自分に心底呆れる。