あの日、あの夜、プールサイドで



小バカにしたように

軽蔑したように

クスクス笑いながら月原を見ていると



「それならそれでちょうどいい。
この子をそそのかしたのは間違いなく俺だからな。」



月原は自信たっぷりに、満足そうにニッコリほほ笑む。




――なんだよ、コイツ




この状況でなんでそんな風に笑えるんだよ。


自分はオトナだから平気だって言いたいのか??
俺は子どもで自分はオトナだから、オマエなんて敵にもならない……そう言いたいのか??


だったらムカつく。


全部壊してやる。


コイツのこの余裕の表情を全部ぶち壊してしまいたい。




「なにそれ。俺なんて相手にもならない、そう言いたいワケ??」




冷たい視線に冷たい表情

それらをたたえて月原を睨みつけると



「まぁ…言い変えればそうなるのかもしんねぇなぁ。」



月原は飄々とした表情をたたえながら、フフッと笑う。


「…どういう意味だよ。」


「たかだか高校生のオマエなんかに目くじら立ててるほど、俺は暇じゃねぇ…ってことだよ。」