あの日、あの夜、プールサイドで


「……どういうこと??」


イライラしながら
必死に怒りをこらえて尋ねると



「私……好きなの。」


「……は??」


「コウちゃんよりも、誰よりも、私は月原先生が好きなの。」



真彩は逃げもせず、言い訳もせずに、俺の瞳をまっすぐ見返す。



――よくも……よくも……!!



この俺を目の前にして、よくそんな台詞が吐けたな!!



イラつく。

イライラする。




愛しかった分だけ

大切にしてた分だけ

深い愛情が大きな憎しみに姿を変える。




「昨日は俺にSEXしてくれってせがんだクセに??」


「………っ!!」


「キスだけじゃ満足できなくて、抱いてくれってせがんだクセにさ?昨日の今日でなんでそんなに意見がコロコロ変わるワケ??」



俺の言葉を聞いて、真彩の眉が苦痛に歪む。
なにも言い返すことができなくて、ただただ苦しんでる。



――いいザマだ。




この俺を裏切ろうとしてるんだから。
俺を捨てようとしてるんだから。



「そのコト月原は知ってるわけ??
まさかキレイな自分だけ見せてるんじゃないだろうね。」


「そ、そんなこと……!!」


「へぇ……。全部知ってるんだ。
だとしたら、真彩って相当なスキモノだよね。ヤレれば誰でもいいんだ。」



そんなの絶対許さない。
無傷でなんて返してやらない。



メタメタに傷つけばいい。
俺を忘れるなんて許さない。


「清純そうな顔した真彩がスキモノで淫乱な売女だっただなんてね。
あ~ぁ……俺もびっくりだよ、真彩。」


俺を裏切り、俺を切り捨て、俺を傷つけようとする真彩なんて粉々に砕け散ればいい。