――コイツ…今すぐ息の根とめてやる!!
月原に向かってドカドカと歩いていって、拳を思いっきり握りしめて腕を大きく振りかぶる。
当然今から殴られる事はわかっていたはずなのに、月原は逃げることも避けることもせず、静かな瞳で俺をまっすぐ見つめてた。
「殴りたきゃ…殴れ。
オマエにはそうするだけの理由がある。」
その悟りきった目がムカついて。
月原のたたえた静かな目が
その覚悟に無性に腹が立って
俺の加虐心に盛大な火を点火させたとき
「だ、だめっ!!コウちゃん!!」
今まで怯えたばかりだった真彩が俺と月原の間にガバッと割り込んで入ってきた。
大の字に腕を広げて、月原を庇う真彩。
今にも泣きそうで、足なんか恐怖でガクガクしてるのに、必死で月原を守ろうとしている真彩。
「せ、先生は悪くない!!
悪いのは全部全部、私なの!!」
そんな真彩に無性にムカついた。
「ウルサイ!!!」
俺は真彩を思いっきり怒鳴りつけると
「そこどけよ!!真彩!!」
アイツの肩に思いっきり力を込めて手をかけた。



