睨む俺に
戸惑う真彩
そんな二人を静かに見守っていた月原は真彩の肩にポンと手を置くと
「この子は何も悪くない。
悪いのは……俺だ。憎むなら俺を憎め、キラ。」
いつになく真面目な顔をして月原が俺に静かに語りかける。
は??
悪いのは俺?
憎むなら俺を憎め、だと??
「ふざけんな!!
わかってるならなんで真彩に手を出したんだよ!!俺が……俺がどんなに真彩に固執してるか、大切に思ってるのか知ってるくせに!!」
俺をずっと見守ってきてくれた、月原。
口は悪いし、すげぇ黒い部分もあるけど俺に競泳を教えてくれて、生きる場所を与えてくれた月原。
当然真彩の存在は知っていて、俺の彼女だと言うことも、俺という存在にとってなくてはならない人だということも全部全部お見通しだったハズなのに……どうして真彩に手を出したんだよ!!
俺が拳を握りしめながら月原をギロリと睨むと
「この子に惹かれる自分を押さえられなかった。」
「……は??」
「知れば知るほど、会えば会うほどに俺は真彩に惹かれていった。この子が欲しいという気持ちを押さえられなかったんだ。この子を自分のモノにしたかったから……弱ってるところにつけこんだ。」
ふざけんな!!!
そこまで聞いて俺の理性は完全にプッツンした。



