イケナイと思いながらも頭の中が最悪のシナリオを描き出す。
もしかして…
今、真彩と月原は一緒にいるのか??
ジュンの言うとおり、真彩と月原は俺には言えないつきあい、ってヤツをしてるのか??
教え子の彼女と教師
それ以外にありえないと思っていた二人の関係。
笑って素通りしてたけど、アレが本当なんだとしたら…??
頭の中でイヤな方向にイヤな方向に膨らんでいく、妄想。
――しっかりしろ!!俺!!
俺はブンブンと頭を振ると、もう一度チャリに足をかける。
真彩は体調が悪くて愛児園にいるだけだ!!
昨日、ケンカなんかしちゃったから…体調がおかしくなっちゃっただけなんだ!!
そう自分に言い聞かせながら、必死で愛児園への道を自転車でひた走る。
温かかった日の光は次第に雲間に沈んで行って、辺りは夕焼け空。何もかもが真っ赤に染まる夕暮れの道を必死に走った。
寧々がいなくなった、あの日のように。
嫌な予感を必死に振り払いながら、今度こそは大丈夫だと言い聞かせて、俺は真彩を信じて走った。
寧々がいなくなった今、俺の心の拠り所は真彩ただ一人。
寧々をあんな形で失って
真彩を失ってしまったら、俺はもう壊れてしまう。
失いたくない。
絶対に失いたくない。
失いたくないんだ
真彩だけは――……



