自分の中に確かにいて
気づかないふりをしていた
気づきたくなかった自分自身。
そんな自分を見せつけられて、呆然と立ち尽くしていると
「わかった??わかったならいい加減、真彩を解放してやれよ。」
ハァとため息を吐いてジュンはゆっくり俺の肩をポンと叩く。
真彩を解放する…??
それは別れろ…ってコトか…??
『コウちゃん。』
『コウちゃん大好き。』
『大丈夫だよ?コウちゃんの夢は私の夢でもあるんだから。』
頭の中でリフレインする真彩の甘ったるい声に、穏やかな笑顔。
無理だ……
無理だ、無理だ、そんなの無理だ!!
失いたくない。
俺は真彩を絶対に失いたくない!!
「イヤ…だ…。」
「…はぁ??」
「絶対イヤだ!!
俺は真彩とは絶対に別れない!!」
手のひらに爪が食い込むんじゃないかと思うほど、強く強く手を握りしめながら
「俺は…もう真彩なしじゃ生きられない…!!」
俺はジュンの方を振り返りもせずに、きっぱりと言葉を紡ぐ。
真彩が俺の近くから去っていく。
俺と違う他の誰かのモノになる。
俺を見つめるあの瞳が、他の誰かのモノになるだなんて考えただけで吐きそうだ。
許せない。
そんなこと、絶対に許せそうにない。
ズルいのはわかってる。
真彩が求めてるのと同じように、俺は真彩を求められないくせに…。自分の側にいて欲しい,離したくない,だなんて、ムシがいいにも程がある。
だけど……必要なんだ。
俺には真彩が絶対に必要なんだ。
俺が…俺であるために。



