あの日、あの夜、プールサイドで



イヤな予感がする。


堪らなく嫌な予感がする。


頭の中でぐるぐる回る、最悪のシチュエーション。



――ダメだ…!!
考えちゃ、ダメだ!!




悪い方に考えてしまったら、事態は絶対に悪い方に進んでいく。


大丈夫。

寧々は絶対に大丈夫だ。

きっと迷子になって泣いてるだけだ。

早く見つけてやらなきゃ、アイツ、絶対泣いてる。

ビービービービー、真夏のセミみたいにうるさく泣いてるハズだから、俺が早く迎えに行ってやらなきゃ……。



不安に押し潰されそうな胸を必死に押さえて、


「ありがとう、ジュン。
行くぞ…真彩。」

「うん!!」


俺は真彩と一緒に雑木林の中に足を進める。




うっそうとした草木に、濃い草いきれ



背の高さほどもある雑草の群れを手で押しのけて



「寧々!!寧々ーっ!!」



俺は小さな天使の名前を大声で呼び続ける。



「寧々ちゃーん!!」

「寧々ーーっ!!!」



ムッとした草いきれに耐えながら、キョロキョロしながら寧々の名前を呼んでいると


「コウちゃん!!ここ見て…!!」


真彩がある道を指さす。