私が笑うと、


「僕の誕生日も、結奈と二人で、ここで祝おうね」と笑顔を返し、「帰ろう」と手を差し伸べてくれた。


 いつの間にか風も止み、並んで自転車を漕ぐ私たちの背中を大きな夕日が赤く染めていた。


 珀の笑顔は天気も変えるのだと、私は奇妙な尊敬の念を抱いていた。