「珀は天才だからいいな~」

 珀がたまにするお手上げポーズを真似て肩をすくめると「結奈のも手伝ってあげるから、大丈夫」と、珀は満開のヒマワリみたいに笑った。

 私と珀は、本物の姉弟以上に仲が良かった。


 たぶん、目に見えない家族の歪みがそうさせたのだろう。



 家族は、一見すると幸せそうだった。


 
 休日には残業の多い義父も揃って、皆で食卓を囲み、仲良く旅行に出かけ、良く笑い、裕福で、理想の一家と巷でも評判だった。




 それなのに、何かが心に引っかかっていた。


 何か、おかしい。

 何だろう。

 どこだろう。