そこは小高い丘の上にあり、小さな川と、根元が腐った古い朱塗りの鳥居、それにキーキー音がうるさいブランコが二つあるだけの所だった。

 近所の子供たちがつまらないと見放した場所を、私と珀は気に入っていた。


 殊更、でんと生えた樹齢何年かしれない大きなケヤキの木の上から、遠くの海を望むのが好きだった。