小学生からおよそ十年間、謎の病で眠り続け、二十一歳の誕生日に目覚めた私は、ちょっと眉間にしわを寄せるだけで皆に酷く心配されてしまう。 慌てて首を振り、微笑んでみせる。 「違うの。美紀からの手紙にね、私へのお願いが書いてあったんだけど」 「お願い?」