美紀と呼ばれた女性は、慣れた手つきで窓際の花瓶を取り上げ、小さな流し台に向かった。 「おばさん。結奈ちゃんは私の大恩人なの。だから、結婚式には友人代表として出席して欲しいんです」 大恩人? 私は彼女を知らないのに? 母が、ほおっと溜息を吐いた。