地面から離れた素足。
宙に浮いた身体。
肩から零れる金の髪。

すぐ傍にあるのは青年の綺麗な顔。
その身に伝わるのは人の温もり。



驚きの表情を見せたセイラだが、直ぐにその頬はほんのりと桜色に染まった。

それは寒さで染まるものなのか、それとも……




 「…温かいね…コハクは……」


男性に抱きつくセイラは彼の胸に顔をうずめ呟く。

小さな声でそっと、彼に語り掛ける訳でもなく。




 「…温かいよ…コハクは……」


何時も独りだった彼女。
孤独だった彼女。


しかし今は違う。

彼女の傍には彼が居る。


彼、コハクは皆とは違う。

只1人、彼はセイラと言葉を交わし笑いあう。


こうして歩み寄りその身に触れ彼女を気にかけてくれる。



幾ら傍に居ようが、幾ら言葉を交わそうが、彼は決して彼女から離れてわいかない。




私にとって貴方は大切で、
なくてはならないもので、
かけがえのないもので……



貴方は、特別で……