「何言ってるんだ。まだ昼過ぎだぞ?時間ならたっぷりあるじゃないか」
あんなに楽しみにしてたのに、この日を心待ちにしていたのに、なのに何故もう帰るなどと言う。
そんな悲しそうな顔をして、そんな辛そうな声をして。
「何だかもう疲れちゃった。はしゃぎすぎちゃったのかな。それともやっぱり風邪ひいちゃってたのかな」
相変わらず無理して笑ってみせる彼女。
辛いなら辛いって、苦しいなら苦しいって言っていいのに。
無理に笑わなくて頼って良いのに、なのに…
「…少し此処で待ってろ。何か飲み物でも買ってくるから」
心を痛めるコハクは話を逸らす。
飲み物でも飲み一息付けば考えを変えてくれるかもしれない。
そう思ったコハクはセイラを置いて最寄りの店へと駆けて行った。

