「入れ」


短い言葉が部屋の中から聞こえてくる。


「失礼します」


ゆっくりとふすまを開ける
そこには、
お祖父ちゃんだけではなくお祖母ちゃんもいた。


お祖父ちゃんとお祖父ちゃんの座っている
机を挟んだ目の前に座布団が置いてある。



「そこに座れ」


また命令が私に下る


「はい。失礼します」


そう言って私は静かにその座布団の上に
腰を下ろした。