私はゆっくりと大きく深呼吸すると
クソじじぃに向かって質問を投げかける。


「お祖父様、失礼ですがいったいなんのお話でしょうか?

私にはついていけないのですが……」


「それは直樹さん本人から聞け。
……お前の部屋でいいだろう。

直樹さんを綾乃、お前の部屋へ連れて行け。」


クソじじぃの訳わからない言葉に
身体が固まる。

クソじじぃは歳のせいで頭がイかれちまったようだ。


「え…お言葉ですがお祖父様、私の部屋に男の人を上げるのは…」

「いいから連れていけ。」

「……はい。」


命令形で言われてしまえば
今は反発できない。


「では直樹様、私の部屋へ案内いたします。」

「あぁ、頼む」


私は部屋にこの見ず知らずの男を連れて行かなければいけないことになってしまった。