声がした方を見ると、校舎の影から藤瀬君が出てきた。


「退学になりたくなかったらとっとと消えてくんない?」

いつになく鋭い目付きで私以外を睨み見渡す。


もう大体の人に藤瀬君の顔と家柄は噂によって知られている。


……この学園の理事長。


女も男も、一回藤瀬君と私を睨んでからさっさと立ち去った。


……カッコ悪い助け方(笑)


のに。


「よかった。間に合った。

……なにもされてない?」



走ってきた様な汗だくの藤瀬君をみて、

何故か心臓が『ドクン』と打った。


ドクン?


…………ナニソレ?