颯side


「おまっ…え?ちょ…はぁ?

 まぢで言ってんのかっ!?」


「当たり前でしょ?」


「その怪我じゃ、当分動けねーだろっ

 んで、明日に行くんだよっ!せめて、あと

 一週間ぐらいは待ってもらえよっ!」


今、正直言うと将太をすっげーぶっ飛ばしたい。


でも、渚の体のほうが心配なのは事実で、

こんなに女のことを心配するようになった俺って優しく

なったと思う。


「そんなに、待ってたら将太の存在なくなっちゃうよ!!

 それに、お兄ちゃんの敵は早く取らないと…。」


その言葉に俺は一言も返せなかった。


優しい言葉をかけなきゃって、思ってんのに、

どんな声をかけたらいいのか分からなかった。


「そんなことなら俺は納得だぜ。渚が決めたことだ。

 でも、明日のお礼参りは俺もついていく。

 お前の考えを認めた礼としてそれぐらいはさせてもらう。」


「じゃぁ僕もついていくっ!!!」


「俺も…嬢の背中を押してやんなきゃな。」


「じゃぁ俺も手伝う。」


次々に皆が納得。


「颯は?どうするの?渚についていくの?」


「綾世…はぁ~。わかったよ。俺もついていく。」


渚を過去から救うには、まず兄貴のことからだな。