渚side


「ん…んぁ??」


起きた私の体に走ったのは激痛


「いたっ…」


特に、顔や腕。


「渚、起きたか?まだ…傷痛むだろ??」


「颯…うん。なんか、ごめんね?」


話しながら入ってきた颯に続いて、皆が入ってきた。


「渚っち?大丈夫??無理しちゃだめだよ???」


「尚…ありがとう…。」


「尚、ちょっと退け。」


尚や颯をかき割って私の前に現れたのは、樹。


ぺチン――。


「なっ!!」


将太たちにされた重たい平手ではなく、軽い平手。


「何してんだよっ!樹!!いくら樹でも殴んぞっ!!

嬢は今、怪我してんだよっ!!」


「蓮は黙ってろっ」


いつものおちゃらけた樹はいない。


目の前にいるのは、初めて見る顔の樹。