颯side


「ミーつけた♩将太の溜まり場。」


綾世が止まったところで俺たちも止まる。


「綾世、ここは???」


「ここは、将太の溜まり場。正面突破するよ。

 いい?」


「あったりまえ。」


俺たち6人は、鎖でつながれた鍵を蹴り飛ばすように

連続して蹴っていく。


大体二周ぐらいしたところで、鍵が壊れる。


「渚っ!!」


「渚っ/っち!!」


皆、それぞれに渚の名をだす。


そこには、溜まっていたであろう、将太たちの姿はなく…

あったのは、椅子に縛り付けられている渚の姿。


髪は乱れていて…

顔や足からは、血が出ている。

首がカクンと、下がっていて、気を失っている状態。


「渚っ!!」


最初、目の前にある光景を見て、皆が絶句した。

その中で、名前を呼んだのは、綾世。


場慣れなんだろう。


「渚っ!わかるっ!!お姉ちゃんだよ??」


綾世は、渚の肩を揺らして呼びかけるが

渚からの応答はない。


「颯、渚をおんぶして。

 とりあえず、家に連れて帰って処置しよう。」


「あっ。あぁ…」

俺はそこで初めて、声を発することができた。