颯side


ちっ。渚の野郎どこにいんだよ…!!


「渚を助けに行くぞ。」


「怜っ!?そんなこと言ったって、渚の

 居場所が分からないんじゃ、助けにいけねーよっ!!

 第一、ここの方向や、場所さえもままならない状態なんだぞっ!」


「樹の言うとおりだよ。嬢の場所を突き止めるか、

 嬢と連絡を取り合わないと…。」


「僕も、蓮ちゃんや、樹と同じ意見…」


「そーんなこと、気にしてる場合じゃないでしょっ!!

 私らが渚を助けに行かないと。」


綾世は、着替えて、壁にもたれている状態だった。


「綾世っち…。でも、渚っちの場所が分かんないよ…?」


「それは、大丈夫っ!!私が、知ってるから。

 何か所はね♬」


「綾世さんっ。それ、まぢっすか!?」


「あったりまえ。大事な妹がいないときに、こんな

 嘘ついてるほど、器用な人間じゃないわよ。

 咲ちゃんまで、取られて…。もう、大事な家族を

 減らせないっ!! もう、行くけど、いい?」


「あったり前だろっ。」


その時の綾世の顔は「姉貴なんだな。」って、思った。


「お母さんっ!行ってくる!!無事に渚を連れて帰って

 くるからねっ!!」


「頼んだわよっ!綾世。」


綾世と、顔を見合わせて、家を出た。