渚side
昨日、非通知からかかってきた電話…。
あれの相手は、将太だった。
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「忘れるわけないじゃない。あんたのこと…」
ずっとずっと、憎くて憎くて…。
仕返ししてやりたかった…。
「私からお兄ちゃんを奪っておいて、今さら
なんの電話?罪滅ぼし?」
【まぁ、そんなにカッカすんなって。
お前、新しい男捕まえたらしいな。】
「あんたには、関係のないことでしょ?」
【そうもいかねー訳で…。元カレの立場として、
やきもちだよ。もう一度、お前に会いたい…】
その時の声は、とても、小さく弱弱しい声だった。
将太…でもね…今さらあんたを信じれないよ…。
【いつも、会ってたあの公園で待ってる。お前が来るまで
ずっと…。こんな時間にごめんな?じゃあ。】
強引さは昔と変わらない…。
そんなとこも好きだったのかもしれない。
けど、あんたは、私から大切な人を奪ったんだよ?
今さら会いになんて、行かないよ…。

