樹side


綾世さん、まぢで過激だなぁー。


渚の部屋に行くのは、前みたいに迷ったりしなかったけど、

渚の部屋に近づくにつれ、嫌な予感はだんだんと募っていくばかり…。


「渚ー?開けるぞぉー??」


返答なし…


本来聞こえるはずの、寝息も聞こえない。


聞こえるのは、、、風の音だけ。


「渚っ!!??」


俺は、いつかみたいに、勢いよくドアを開ける。


でも、そこには…


窓から入る風に靡くカーテンと、渚が寝ていないベッド。

窓から出たと思われる、紐が垂れ下がっている。


俺は、勢いよく、下に向かった。


「ちっ。なんでこの家、こんなにでかいんだよっ!!。」


全力で走って2分ほど、やっと皆が集まるリビングについた。


「樹っ!渚っちゎ??」


「渚がいねーんだよ!!」


「はぁ!?あのバカがいないっ!?ちっ。やっぱ、馬鹿だ。」


「嬢が出て行ったのか?」


「多分、窓からな。」


「お母さん!!渚のスニーカーないよっ!

 あいつ、窓からどっか行きやがった。」


綾世さんは、親指の爪を噛む。


渚っ!!