渚side



結局私は、お兄ちゃんの部屋を使うことに。


お兄ちゃんの部屋は、私の部屋の隣で…。


壁一枚向こうに寝てるのはいつも騒がしい5人組。


明日も、やっぱし、騒がしいのかな…。

でも、騒がしいほうがみんならしいや…。



皆のことを考えていたのに、夢に出てきたのはお兄ちゃん。


『久しぶりだな。渚』


『お兄ちゃんっ!!』


『皆と仲良くなってるみたいだな。良かった』


『お兄ちゃんっ!!今だけ、今だけでいいから、抱きしめてっ!』


無性に泣きたくなる。だけど、お兄ちゃんはそんなの望んでない。


ちゃんと、笑顔でいなきゃ。って、思えば思うほど…。


『おいで。久しぶりだな。』


『うんっ!!』


私はお兄ちゃんに飛びつこうとしたとき…


ピロリん…♪ ピロリん…♬


「んぁ…?」


鳴ったのは私のスマホ。小さく震えている。


「こんな時間に誰?」


時刻は3時過ぎ…。番号は、「非通知」。


「はい。もしもし…。」


【よう。久しぶり。渚。覚えってっか?俺のこと…。】


「忘れるわけないじゃない。あんたのこと…。」