麻穂side
ちゃんとお父さんにも挨拶して、
ちゃんと、渚のことを考えてくれてる気がしたから。
渚のこと、この5人に話そうと思うの。
いいわよね??
私は、渚の許可を得ずに、5人のもとへ向かった。
「ねぇ。5人とも、ちょっといいかしら?」
「はい。」
赤髪の男の子。多分、名前は樹君。
「お話があるの。5人とも来てくれる。」
5人は私の後を追うように、ついてくる。
普段はあまり使わない、和室のカギを開ける。
私は、一人、座布団の上に座る。
他の5人は、私と向かい合うように座る。
「あなたたちは、渚のことをどこまで知っているの?」
「「「「「え…?」」」」」
5人が声を合わせる。
「渚の過去のことは知ってる?渚のお兄ちゃんのこと。
渚がよく倒れること。渚の背中に傷跡があること。
渚にとってのお兄ちゃんの存在の大きさ…。貴方たちは
どこまで、渚のことを知っているの?」

