颯side
俺はたぶん…今、夢の中にイル…。
今日の夢は、渚が出てきた。
いつも笑ってた。けど、皆と別れると、渚は一人で
泣いてた。
渚…俺はそんな渚をほっとけなくて、抱きしめた。
渚はびっくりしてたけど、ちょっと経ってから俺に身を委ねてきた。
渚…今だけは、俺の物だ…。
「ん…」
目が覚めると、もう朝。
朝日が眩しくて、いらいらする。
俺以外はみんな寝ている。しかも、なんか
温かい。
俺が、起き上がろうとするけど、まったく動かない。
俺は重く感じた腕の先をたどってみた。
そこにいたのは…
「渚っ!?」
やっべ…。とっさにでかい声、出しちまった。
でも、案外皆起きなくて、一安心。
なんで、渚がここにいんだよ…。
いつ起きたんだよ…。
この毛布誰のだよ…。
いや、毛布は渚のだろうけど…。
今の俺に、まったく余裕なんてない。

