怜side


部屋に帰って、自分の手を見つめる。



なんで、あんなことしたんだ…?



「女嫌いのはずなのに…。」



女嫌いの俺が自分から、女に触れるなど…。



こんこん。



考え事をしていると、部屋のドアを叩く音が聞こえた。



自分からドアを開けに行くと、立っていたのは尚だった。



「どうした?」


「ちょっと、いい?」


いつもみたいに、笑顔で聞いてくる。


「あ、あぁ」



尚を自分の部屋に入れた。



「怜ちゃんってさ…渚っちのこと好きなの?」



「は?」


何を言ってるんだ…こいつは。



「どうしてそんなこと…」



「だって!!怜ちゃん、女の子嫌いなのに…

 さっき渚っちの部屋に入って行ったし…

 前だって、いきなり渚っちのこと抱きしめるし…

 いつもの怜ちゃんじゃないよっ!!」


そういった尚。



でもな、尚。


俺にもわからないんだ…