~樹SIDE~


寝室に、渚を持っていく颯。


正直、ここは俺が行きたかったけど、、、


今回は颯に任せた。


それより、さっきの「お兄ちゃん…逝かないで…」と、


呟いた渚の声がとても儚くて…。


よっぽど、つらい思いをしたんだな…。って、わかる。


「あっ。颯っち…渚っち。なんか言ってた…?」


寝室から出てきた颯。


「あぁ。ちょっとだけ目を開けて「今日は泊まってけ」だってさ。」


その顔は違和感があって、、、、


「颯、渚…ほかにもなんか言ってたんだろ…?」


颯は驚いた顔でこっちを見る。


何年、お前の友達やってると思ってんだよ。


「目覚める前に、「行かないで…将太」って、言ってた。」


将太…誰だ?そいつ。


皆、思っていることは同じで、少し顔が


険しくなる。


「この件については明日直接渚から話を聞けばいい。

 今日は、もう寝よう…」


「そうだな…。んで、ここに泊まんの?」


「そうしてほしいって、渚が言ってた。」


「嬢の、期待には答えねーとな。」


そういって、各自自分の毛布を一枚持ってきて、


その日は、渚の部屋に泊まった。