颯side


「颯…颯~…。颯ぇ~」



向こう側に聞こえるのは、鼻を啜る音と震える声。


渚…。


「お前、今、どこだ??」


『○○公園。学校の近く…。』


「わぁーた。今すぐ迎えに行ってやるっ!!」


俺は、スマホを片手に渚が居る公園へと急いだ。


「颯っ!?」


「僕も行くよっ!!」


皆後についてくる。


全力疾走で走って、約5分ほど…。


「はぁ…はぁ…」


久しぶりに走ったせいか荒くなる呼吸。


「渚っ!!」


渚はブランコに乗りながら、少し俯いていた。


「颯…??」


渚に名前を呼ばれるだけで体が反応する。


「颯っ!!!」


いつもに増して大きな声で呼ぶ渚の声に肩が

跳ね上がった。と、同時に、窮屈になる体…。


「え…?」


「颯ぇ~…。グス…うっ…ふぇ…」


俺の胸に顔を埋めて泣く渚…。


「尚、帰ろうぜ…。ここは俺たちが出る場面じゃ

 なさそうだしな。」


「うん。」


4人が公園から出ていく音がした。