颯side


俺は危うく持っているお盆を落としそうになった。


目の前にある光景に目を瞑りたくなるほど…


「渚…」


渚と、雄介と思われる男がキスしてたから…。


見るからに雄介の一方的なキスのように見えたけど

今の俺にはそんなことを考える余裕がない。


「雄介の馬鹿っ!!!!!」


涙を1筋流して、教室を出て行った。


「ってっめー、渚に何してんだよっ!!!」


イキナリ、雄介に突っかかったのは樹。


「渚ってゆーんだ…。かわいいよね?あの子。」


こいつ、謝る気サラサラねーみたいだな。


へらへらしやがって…また、渚は傷ついて…。


「渚は、まだ誰のものでもないんだよね??」
 
 じゃぁ、俺が狙っちゃっても大丈夫かな??」


「馴れ馴れしく渚っちの名前呼ばないでよっ!!!

もう、渚っちが傷つくの見たくないんだよっ!!

金輪際渚っちに関わらないでっ!!」


と、言い捨て、尚は教室を出た。


それにつづいて、怜、蓮と続き教室に残ったのは

俺と樹、そして、雄介。