一匹狼に恋をした。




渚side


お姉ちゃんに連れてこられたところ…。


今、目の前にある…。


何回見ても、来てもあの日のあの場面を

鮮明に思い出してしまう。

「お兄ちゃんが目の前で殺された場所」


無意識に涙が零れて…

止めようと思っても、止まらない涙…

止まらない、震え…

思い出す記憶…


目の前にいるのは、縄で吊るされている将太たち。


ポンポン…


「だーいじょうぶだって^^そんなにビビんなよ!!」


「樹。」


「そうだよ♪嬢。目の前にいる将太を殴りまくってやれよ!!

 喧嘩はすっきりするぜ?」


「蓮。」


「そのために今日来たんだろ?それとも本来の目的を

 忘れるほど、馬鹿になったのか?」


「颯…(怒)」


「渚っち^^大丈夫だよっ!僕がついてるからっ!」


「尚。」


「何倍返しするかは知らんが、20倍返し位しておいたら

 すっきりするんじゃないか?」


「怜。それは、怖いね…」


「でも、皆ありがとう^^」


気が付けば、涙は止まっていた。


「よし!」と、気合を入れて、将太たちに近づいた。