「全然、連絡つかなくて…逢いたかったんですのよ今日は―…」


「ちょっと待ってろ」


そう言い残すと女の人の方に行ってしまった。



上品な物言い、顔だって整っていて綺麗な人…。

後ろに執事?らしき男の人がいて…どこかのご令嬢って感じかな…。


美月ちゃんが言っていたのはこの人かな?

きっとそうだ。

お似合いな感じの二人。

それに比べて私って…。


楽しいはずの日に朝から落ち込みモードで…



あのご令嬢と話している高遠さんは丁寧な言葉使いで高遠さんじゃないみたいだった。



「申し訳ありませんが何度も言いましたよね。
貴女との婚約は――……」


一礼して高遠さんは私の方に歩いて来た。



話し終わったのかな。


「ちょっと待ってよ婚約者ってどういう事なの?」


彼女は追いかけて来た。