「やっぱり泣いてた意地っ張り」 彼の唇が頬に流れて残っている涙を吸いながら跡を辿る。 私を腕の中に引き寄せて… あやすように背中をトントンとされた。 しばらくして、また眠りに落ちた。 頬に何かあたってくすぐったい。 ゆっくりと目を開けた。 隣には肩肘をつきながら優しく私を見下ろしている高遠さんがいた。 彼の指が頬を撫でている。