しばらくすると高遠さんは帰って行った。
裏口がわの駐車場で智也さんを待った。
一台の車が駐車場で停まった。
車から降りてこちらの方に歩いて来た智也さん…
私に気づくと思いっきり目を反らされた。
あっ、どうしよう…声をかけるのが恐い。
このままいくと…何も言わずに終わってしまいそう。
「智也さん」
智也さんは立ち止まった。
「話しがしたいんです」
「俺は聞きたくない」
「お願いします」
「…わかった言って」
「ごめんなさい智也さん私…私、智也さんとはつきあえないです」
「高遠さんが好きなんです」
智也さんは小さくため息をつき私と視線を合わせた。
「はい、そうですかって諦めてあげるほど人間、出来てないから」
智也さん?



