トビラの向こう側

「ちょっと待ってください。
どこに行く気ですか?」


無言のまま連れて来られたのは高遠さんの車の前。


イヤな予感…。


車のドアが開けられた。


今日はもう帰りたいのに…嫌だ車には乗りたくない…。


足を踏ん張って抵抗を試みるも、それは無駄に終わった。


私は無理やり車の中に、押し込まれた。

逃げる間もなく車は走り出してしまった。