智也さん!!
今まで見たことのない険しい顔をこちらに向けていた。
智也さんが怒っているのは、すぐに…わかった。
慌てて高遠さんから離れようとしたけど…
私を拘束している力を緩めてはくれず…抜け出せない。
高遠さんを睨んでいた智也さんは視線をはずして私を見た。
苦しそうに顔を歪めて…。
私が智也さんを傷つけた…。
やがて彼は私からも視線をはずして、こっちに向かって歩きだした。
横をすれ違う時も視線が合う事はなくて、そのまま通り過ぎた。
智也さんに謝らないと…
追いかけようと、もがいた。
掴んでいる手は更に力が加わり放さない。



