トビラの向こう側

ますます、動きづらくなった。


ふわぁっと空気が動いて隣には高遠さん。


肩に、かかった手が私を拘束した。


逃げる事が出来ないと悟った私は覚悟を決めて顔を上げた。

視線が合う…。


胸がキュッと痛くなって心音が激しく鳴り出した。


こんな感じ前にも、あったような…なんだか心地よくて…このまま放さないでほしい―…。



そうか、私……
好きなんだ…高遠さんの事―…。



ドン!!

急に大きな音がして目を向けた。


智也さん!!