トビラの向こう側

今日は土曜日、街は休日の賑わいをみせていた。


本当は智也さんは今日は昼間の仕事だったんだけど高遠さんに代わってもらったみたい。



今、時間は6時少し前、待ち合わせは6時頃その頃なら多分…今、私がいる場所に着けそうと言ってた。



私はそこにあるベンチに座って智也さんを待つ事にした。



「おまたせ汐里ちゃん」


「智也さん」



「みんな先に予約してある部屋に行ってもらってるから」



「行こうか」


「はい」


今になって緊張してきた。


「汐里ちゃんは俺の隣にいてくれれば、いいから何か言われた時は俺が答えるから」


そう言うと智也さんは私の手を繋いだ。

私はビクッとして手を放そうとしたけど彼の手はそれを許してはくれなかった。

「嫌だろうけど、今は我慢して」


そうだった今は智也さんの彼女だったんだ……。


私はそのまま手を引かれて店内に入って行った。