駿!


腕を組んで、鋭い目で私を見ている。


「ここで待っていれば、会えるって店長が言うから待ってたんだ」



だから、さっき…


店長の嘘つきっっ!!



「おいっ!…汐里―…」



私は逃げようと駅に向かって走りだしたけれど…
直ぐに追いつかれた。

彼はしっかり腕を掴んで放さない。



停めてある車の前まで連れて来られて。



待って、もうあそこには戻れない。


「駿! 私はマンションには戻らない」



「記憶…戻ったんだな」


私は慌てて首を振った。